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もしもいつか南で暮らすことになったら、
1年の3分の1近くを占める余白のような季節を、切実に求めるだろうなあと思う。
12才の時、北海道に引っ越してから何年もの間、瀬戸内海や、小さな山々、柑橘のなる風景、瓦屋根や古い神社や竹やぶに思いを馳せてはいても立ってもいられなかったように。
大袈裟に思われるかもしれないけど、わたしには本当にそういうものが大事だった。
自分の中に北海道の風土が沁み渡るまで、24年くらいかかった。
とても居心地良くて離れがたいけれど、新しく、南国の海の色や、混沌とした街の風景を重ねてみたい気持ちもある。