totetoko

15年以上前に、フリーペーパーに、周りの方達をインタビューする記事を連載させてもらっていたことがあ り、先日その前書きを読み返す機会があった。
何を書いたかすっかり忘れていたのだけれど、びっくりした。
15年間いろいろ体験したはずなのに、結局考えていることが殆ど同じ・・・
がっかりするような、開き直れたような・・・
だけど、微妙に違うから。 そのかすかな違和感を大切にしながら、
15年後の自分のために書き写しておこうと思った。
”森の中は夢のつづきみたいにあてどもなく、
ミズいろの空のむこうには真っ暗な宇宙がごうごうと拡がり
その遠くからここをみたら、わたしはぼんやり浮かんだ火の玉みたいなもので、
まわりにもいろんな色の火の玉たフワフワ漂うままにくっついたりはなれたり溶け合ったり、
お洒落な模様になった一瞬をワンピースに写しとって大切に着ている誰か、
もっと遠くではちいさなうごめく点にしか見えないわたしたちを
五線譜にうつしとって歌っている誰かの暮らす森があるとしても、わたしはこの森をあるくしかない。
歩かないでたとえば森の木を切って工夫しておうちを作って暮らす人や、
切り株にこしかけて考え事をする人、木に印をつけてまわる人、
いろいろな人がいるだろうけど、
わたしは、ただ道の途中でおかしなきのこや獣にびっくりしたり、
光る小石を拾ったりするようなのが一番楽しくて、
他になにも思いつかないからとことんあるいてみよう。
歩いているうちに時々おなじ花を見て喜んでいたり
自分の知らなかった木の実をたくさん集めてるような気になる人たちを見つけて。
初めは見ていることが楽しくて見つけるためにまた歩いて。
だけど同じ森の中なのにどうやらその人達の森とわたしの森はちがうみたい。
からくりは分からないけれど。
気になるけれど、見ているだけじゃどうしてもわからなくて。
話しかけて聞いてみようと思いつくまで随分時間がかかりました。”